小樽の市場について

旧国鉄手宮線の旧手宮駅近くに行商人が集まり、1917年に小樽で初めて市場が開かれました。それ以来、小樽の市場は地元の人々や観光客に愛され続けています。

地元の味や人気の海鮮グルメを楽しめる市場や、海産物などのお土産を買える市場など、現在小樽には5つの市場があります。

◆ 三角市場

 

小樽駅近くにある「三角市場」。正式な名称は「小樽駅前市場」ですが、三角形の土地に立地していることに由来すると言われている通称「三角市場」で呼ばれており、ガイドブックなどにもこちらの通称で掲載されています。

戦後まもなくいくつかの露店が並び始めたことが市場の始まりだったようで、1950年代には「ガンガン部隊」と呼ばれた行商人が集まってきていました。

「ガンガン部隊」の「ガンガン」は大きなブリキ缶のことを指しており、当時行商人が仕入れたものを「ガンガン」に入れて運んでいたことから、「ガンガン部隊」と呼ばれていたようです。

現在この三角市場内には、海産物を販売するお店やお食事ができるレストランなどがあり、小樽駅に近いことから観光客と地元客の両方が利用する市場となっています。

◆ 南樽市場

 

グランドパーク小樽から車で約5分ほどのところにある市場で、勝納川沿いにあります。

終戦後の昭和24年に「旧南樽市場」が建設され、その後、木造建築の老朽化などから改築を余儀なくされ、昭和43年に現在の南樽市場が建ちました。
当時としては近代的でモダンな市場が完成し、開店当初は大盛況だったそうです。

小樽の食材から北海道の旬の食材を中心に、リーズナブルな価格で鮮魚・野菜・精肉、手作りの惣菜等の食料品、日用雑貨などなんでも揃う市場として、地元市民や札幌近郊から訪れる方に親しまれています。

◆ 新南樽市場

 

グランドパーク小樽から徒歩でもアクセスできる距離にある市場です。

地元市民だけではなく、近郊からの来場や観光客の増加などで「南樽市場」の利用客が増えたことから、広い駐車場を完備した市場の建設についての要望があり、平成11年小樽で一番新しい市場として「新南樽市場」が誕生しました。

厳鮮直価(鮮度と安いは当たり前・鮮度を極めた厳選商品を産直価格・実直価格で提供)をモットーとし、鮮魚や水産加工品を中心に幅広い商品を取り扱っています。

◆ 小樽中央市場

 

小樽駅から徒歩約5分ほどの距離にある「小樽中央市場」。

昭和21年、外地の引揚者によって結成され、地元有志の協力の元、現在の場所にバラックの仮店舗が建てられました。
その小間をそれぞれ借用し、当初は「小樽中央マーケット」という名称で発足したのが「小樽中央市場」の生い立ちとされています。

日本遺産「炭鉄港」の構成文化財の1つであり、全国的に市場が日本遺産の構成文化財になっているのは「小樽中央市場」のみとなります。市場内には展示もありますので、ご覧ください。

四季を感じる新鮮な海鮮や旬な野菜、手作りの惣菜や食事処など食料品を中心に販売しています。

◆ 鱗友朝市

小樽駅から徒歩約15分ほどのところにある「隣友朝市」。朝4時からと、小樽で一番早い時間に開店する、鮮魚を中心に取り扱う市場です。

乾物や干物の専門店もあり、生魚を扱うお店では仕入れた鮮魚で自家製商品を用意しているところもあります。

市場の中には海鮮丼や刺身、焼魚定食が食べられる食堂もあるので、小樽の新鮮な海鮮を堪能できます。

◆ かつてあった最古の市場・手宮市場

 

2018年に閉鎖された最も古い歴史を持つ「手宮市場」。

店舗数の減少に伴い、1店舗あたりの経費負担が大きくなってしまったことが主な要因で、101年の歴史に幕を閉じました。

手宮市場は、1917年にこのエリアが石炭の積み出し港として栄えていたことに着目した行商人達が店を開いたことに始まり、その後は道内各地から集まった行商や近所の買い物客などで賑わいました。1994年に現在の建物に建て替えられた時には、16もの店舗が入居していたそうですが、近隣に大型スーパーが開店したことに伴う買い物客の減少や後継者不足などの理由から徐々に店舗数が減ってゆき、閉鎖当時には4店舗を残すのみとなっていました。

小樽の市場は昭和初期には25か所ありましたが、現在は市内に5か所のみとなりました。

時代と共に数こそ少なくなってしまいましたが、市場の魅力は変わらず、さまざまなものが手に入る”食の台所”として今もなお活気に溢れています。
ぜひ小樽の市場に足を運び、お買い物や食事をお楽しみください。