夏の観光・季節限定スポット

毎年夏季に限定公開されている季節限定の観光スポットをご紹介します。

◆ 能楽堂(旧岡崎家能舞台)

小樽市にある能楽堂(旧岡崎家能舞台)は、毎年夏季に一般公開中されています。

この能楽堂は、新潟出身の岡崎 謙氏が入舟町の自邸内に建てた能舞台で、大正15年(1926年)に竣工しました。その後小樽市に寄贈され、現在の場所(小樽市公会堂内)に移設されたのち、昭和60年(1985年)に小樽市の歴史的建造物に指定されました。

能楽堂に隣接している旧小樽区公会堂も歴史的建造物に指定されています。こちらは明治44年(1911年)に当時の皇太子(のちの大正天皇)の宿泊所として建てられたもので、その後公会堂として使われました。現在の場所に移された際に、同じく移設された能楽堂を増設したそうです。

 

小樽市の能楽堂は、非常に格式の高い様式で作られています。舞台用材として神代杉や九州産檜などを使い、鏡板(舞台正面の羽目板)の松や揚幕板戸の唐獅子なども、わざわざ江戸幕府のお抱え絵師だった狩野家の当主を呼び寄せて書かせたもので、一見の価値があります。

 

夏季公開中にはこの能舞台を使った無料・有料の催しなどがたくさんありますので、ぜひ見学に出かけてみてはいかがでしょうか?

◆ 奥沢の水すだれ

小樽市内にある奥沢水源地は、100年近くもの間、小樽の水道水の水源として親しまれていました。

ここには、奥沢ダムから溢れた水を放流するために作られた階段式溢流路(通称「水すだれ」)があり、段差のあるところに水を流すことで、水流の勢いを和らげる役割を果たしてきました。

現在では、「水すだれ」を含む奥沢水源地の水道施設としての役割は終了しているのですが、その歴史的・技術的価値の高さから、「近代水道百選」や「土木学会選奨土木遺産」に選ばれ、保存と活用方法が模索されています。

毎年雪解けの後に、「水すだれ」を眺めることができる水管橋が一般開放され、自然いっぱいの中に佇む近代遺産を間近で見ることができるようになります。

流れる水、風に揺れる木々、そして鳥のさえずりなど、癒しのサウンドに囲まれた素晴らしい環境の中にありますので、気分転換にぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか?

 

※一般開放の期間につきましては、小樽市ホームページをご確認ください。

※天候不良などにより、一般開放が中止される場合もあります。